ここでは、CVSの概要、インストール方法について解説します。
実行環境
?Windows2000 Professional
?CVS for NT 2.0.18
?WinCVS 1.2
概要
CVS(Concurrent Versions System)とはバージョン管理ソフトです。個人で開発を行う際、チームで開発を行う際、開発ファイルのステータス管理(変更中など)、バージョン管理、履歴管理を行ってくれます。エディタ機能、Diff機能を外部機能として登録することにより、自分の好みに合わせたエディタ、Diffを使用することができます。
CVSはCVSサーバとCVSクライアントで構成されます。Windows環境、UNIX環境など様々な環境に対応したCVSソフトが開発されています。1台のサーバにCVSサーバと、CVSクライアントをインストールして使用することもできますし、CVSサーバを別サーバにインストールし、リモート環境から使用することもできます。
CVSサーバのインストール
Windows環境向けのCVSサーバ「CVS for NT」のインストール方法について解説します。
1.ダウンロード
以下のURLからCVS for NTの最新版をダウンロードします。執筆時点の最新版はCVSNT 2.0.18です。Ver2.0.18より新しいバージョンのβ版も公開されていますので、ダウンロードしないように注意してください。
URL:http://www.cvsnt.org/wiki/
2.インストール
ダウンロードしたEXEファイル(ここではcvsnt-2.0.18.exe)をダブルクリックしてインストールを行います。インストールはAdministrator権限をもっているユーザで行います。ほとんどデフォルトの設定でインストールします。
2-1.アンチウィルスソフトの停止
アンチウィルスソフトが稼動している場合は、ソフトを停止してからインストールを行います。
2-2.インストールコンポーネントの選択
インストールするコンポーネントを「Typical installation」に指定します。
2-3.CVS Service、CVS Lock Serviceの停止
インストール終了後、CVS Service、CVS Lock Serviceの起動を選択する画面が表示されるので、チェックをはずし、起動しないようにします。
2-4.環境変数PATHの確認
環境変数PATHにCVS for NTのインストールディレクトリが設定されているか確認します。設定されていない場合は設定します。
3.設定
CVS for NTを動作させる最低限の設定を行います。
3-1.レポジトリディレクトリの作成
CVSサーバでは管理対象のファイルをレポジトリと呼ばれるディレクトリに保存し、管理します。ここでは、レポジトリのために、「E:\cvsnt\cvsrep」というディレクトリを作成します。
3-2.テンポラリディレクトリの作成
テンポラリファイルを格納するディレクトリ「E:\cvsnt\cvstmp」を作成します。
3-3.レポジトリの作成
「コントロールパネル」→「CVS for NT」をダブルクリックします。「Repositories」タブをクリックします。「Add」ボタンを押し、先ほど作成したレポジトリディレクトリを設定します。「OK」を押すと「Do you want to initialise it?」というメッセージが表示されますので、「OK」を押します。これで、レポジトリが作成されます。
3-4.テンポラリディレクトリの設定
「コントロールパネル」→「CVS for NT」をダブルクリックし、「Advanced」タブをクリックします。 「Temporary Directory」という設定項目があるため、そこに先ほど作成したテンポラリディレクトリを設定します。 設定したら「OK」ボタンを押し、設定を終了します。
3-5.ユーザの追加
「コントロールパネル」→「CVS for NT」をダブルクリックし、「Service Status」タブをクリックします。「CVS Service」と「CVS Lock Service」それぞれの「Start」ボタンを押し、CVSサーバを起動します。MSDOSプロンプトを立上げ、以下のコマンドを入力します。-dはレポジトリディレクトリのパス、-rはCVSサーバに存在するWindowsユーザ名、-aは追加したいCVSユーザ名を指定します。コマンドを実行するとパスワードを聞かれてくるため、パスワードを設定する場合は入力します。ここでは、パスワードは設定しないため何も入力せずリターンを押します。cvsuserというユーザが追加されます。
E:\>cvs -d e:\cvsnt\cvsrep passwd -r Administrator -a cvsuser
Adding user cvsuser
New password:
Verify password:
E:\>
CVSクライアントのインストール
Windows環境向けのCVSクライアント「WinCVS」のインストール方法について解説します。
1.ダウンロード
以下のURLからWinCVSの最新版をダウンロードします。執筆時点の最新版はWinCvs1.2です。Ver1.2より新しいバージョンのβ版も公開されていますので、ダウンロードしないように注意してください。
URL:http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=10072
2.インストール
ダウンロードしたファイルを解凍して、その中のSETUP.EXEをダブルクリックしてインストールを行います。デフォルトの設定でインストールします。
3.設定
WinCVSを動作させる最低限の設定を行います。
3-1.Generalの設定
WinCVSを初めに起動させると、「WinCVS Preferences」画面が表示されます。「General」タグを押します。「Enter the CVSROOT」にCVSユーザ名@CVSサーバURL:レポジトリディレクトリの書式で適正な値を設定します。ここでは、「cvsuser@localhost:E:\cvsnt\cvsrep」と設定します。Authenticationはパスワード接続を行うので、「"passwd" file on the cvs server」を選択します。「Use version」では、「cvs 1.10 (Standard)」を選択します。
3-2.WinCvsの設定
「WinCVS Preferences」画面で「WinCvs」タグを押します。 「Home folder」にCVSサーバに接続する際のパスワードを保存するディレクトリを指定します。ここでは、cvsuserディレクトリを作成し、「E:\cvsnt\cvsuser」と設定します。「OK」ボタンを押し、設定を終了します。
動作確認
CVSサーバ、CVSクライアントの動作確認を行います。CVSサーバが起動していることを確認し(「コントロールパネル」→「CVSNT」→「Service Status」)、WinCVSを起動します。WinCVSを「Admin」→「Login」の順に選択します。 パスワードが聞かれますので、設定した場合はパスワードを入力、設定していない場合は何も入力せず「OK」を押します。以下のように表示されれると正しくログインできています。
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